腎臓の働き
腎臓は、腰の上辺りに左右対称に1個ずつある臓器で、握りこぶしくらいの大きさで、そら豆のような形をしています。1分間に約1リットルもの血液を濾過して老廃物や塩分を尿として体外に排出し、また、体に必要なものは再吸収し、体内に留める働きをしています。
心臓から拍出された血液の一部は腎動脈を通って腎臓中に運ばれ、ここで濾過された後、腎静脈を経由して心臓へと還ります。濾過された老廃物や余分な成分は尿となり、腎盂という器官で受け止められて尿管に入り、膀胱へと運ばれ、やがて体外に排泄されます。
腎臓内科で診察する主な疾患
高血圧、慢性腎不全、急性腎不全、ネフローゼ症候群、慢性糸球体腎炎、急性糸球体腎炎、遺伝性腎疾患、水・電解質異常、尿細管間質性腎炎、血管炎、透析困難症、透析患者様の合併症 など
腎臓の主な働き
- 体内の老廃物や毒素の排泄
- 体内の水分量のコントロール
- 電解質(ナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネシウムなど)の調節
- 血圧のコントロール
- 造血ホルモンの産生(貧血を防ぐ)
- 血液を弱アルカリ性に保つ
- ビタミンDの活性化(骨を丈夫にする)
- 不要になったホルモンの分解・排泄 など
慢性腎不全
腎不全とは
様々な原因により、腎臓の働きが正常の30%以下に低下し、体のバランスを保つことができなくなった状態を腎不全(腎機能不全)と言います。
腎不全には、急激に腎機能が低下する「急性腎不全」と、長期間にわたって徐々に機能が低下する「慢性腎不全」の2種類があります。
急性腎不全は、早急に適切な治療を行うことによって、大部分の機能が回復します。
しかし、慢性腎不全は腎機能がある程度まで低下しないと自覚症状が現れず、そのため早期発見が難しい疾患です。慢性腎不全になると、尿毒素や水分、カリウムやナトリウムなどがどんどん体の中に溜まって影響を及ぼします。慢性腎不全は様々な病気(糖尿病腎症、慢性糸球体腎炎、腎硬化症など)のため、数年~10年以上という長い期間に、少しずつ腎機能が低下していきます。慢性腎不全となると、一度失った腎機能の回復は極めて困難です。
腎臓の働きが低下すると、本来なら尿として出るべき老廃物が体に溜まってしまいます。
症状は、進行速度や重症度、原因などによって様々ですが、尿の異常やむくみが生じたり、高血圧になったりすることもあります。
腎不全が進んで透析が必要となる頃には
次のような症状が認められるようになります。
- 体に水が溜まってむくむ
- 体内バランス(塩分やpHなど)が保てない
- 吐き気や食欲不振、下痢を起こす
- 血圧が高くなり、心不全をきたしたりする
- 貧血症状(立ちくらみや息切れが生じる)
- 手足の痺れなどの神経症状や精神症状がみられる
- 目がかすんだり、見えづらくなったりしてくる